今や翻訳作業で欠かせないCATツール。代表的なものはTradosですが、memoQ、Memsourceなどもあります。トライアルに応募する際も、CATツールを使えることが前提となっていることが多いような気がします。
私は2018年10月にSDL Trados Studio 2019を購入しました。「SDL Trados Studio 2019の操作の勉強方法」でも書きましたが、基本的な操作方法は「翻訳支援ツールマスター講座」で学びました。無料で済ませたい場合はSDLのWebセミナーという方法もあります。
「翻訳支援ツールマスター講座」に申し込むほどお金をかけたくない、けれどもWebセミナーだけだとテキストがなくて不安という方、「翻訳ツール大全集」というのをご存じでしょうか?
私がこの本を知ったのは一昨年だったかと思います。実際に手に取ったのは昨年の10月です。仕事でTradosを操作しているとき、「こういう機能はないのかな?」と検索をしていたときにこの「翻訳ツール大全集」がヒットしたからです。
私が知りたかったのは「翻訳メモリをコンコーダンサーとして活用する」です。他にも「こんなことができるんだ」と惜しげもなく紹介されており、PDF版を購入しました。
オススメする理由
プリントアウトできる
「翻訳支援ツールマスター講座」でも感じたことなのですが、私はテキストを見ながら作業を進めていく方が向いているので、「翻訳ツール大全集」でもPDF版を購入して良かったと思っています。プリントアウトして自分で書き込めるので、自分で自分の教科書を作っている感じがとても嬉しいのです。
無料のWebセミナーももちろん内容が充実していますが、必要な箇所が映像のどこにあったかというのは記憶していなくて、結局最初から見なくてはならず、私はWebセミナーは諦めました。
様々なCATツールの使い方を紹介している
翻訳会社によって使用しているCATツールが違いますから、最初に手にするツールもそれぞれだと思います。この「翻訳ツール大全集」はmemoQ、Trados、Memsourceの使い方を解説されているので、どのツールを持っていたとしても大丈夫です。
Trados2017とTrados2019は何が違うの?
この「翻訳ツール大全集」のTrados編ではTrados2017が使用されています。最近Tradosを購入された方はTrados2019だと思います。私が使用しているのもTrados2019なので、Trados2017とTradso2019の違いについては詳しくはわかりません。ただ作業をする上では全く問題なく使えていますし、Trados2017でできることはTrados2019でもできると理解していただいて大丈夫です。
英語以外の言語で使える?
「翻訳ツール大全集」で使われている画像は全て英語と日本語のペアです。だからといって英語だけしか使えないわけではありません。私の翻訳言語は中国語です。中国語の場合、Tradosではこんな感じで表示されます。
人民日報で対訳学習をしていたときのものです。
翻訳支援ツールでは多くの言語に対応していますが、不安な方はそれぞれのツールの対応言語を確認してみることをお勧めします。
「時間を買う」という視点を持ってみる
翻訳会社によっては翻訳支援ツールの研修を行っている会社もあります。もちろんそれに参観する方法もあります。でも、私のように小さい子どもがいる場合はどうでしょう?正直にいうと身軽に動けません。私の場合、子どもが通っている幼稚園には預かり保育がないので、長時間外出するときは家族の協力が不可欠です。家族のスケジュールを調整するのに時間がかかりますし、研修は1回とは限りません。基本的な操作を覚えれば、その後は仕事がもらえるかもしれないのに、家族のスケジュール調整のために時間を費やし、場合によっては今回は見送って次回の研修に参加するとなったら、時間が大変もったいないです。
遠方に住んでいる場合も然り。電車代、飛行機代も大きな出費になります。それだったらこの本を買って自分で勉強した方が経済的です。
全ての始まりは小さな一歩です。それが積み重なって大きな前進となります。自分に投資をして新しい一歩を踏み出してみませんか?